株式の乱高下が止まりません。
本日の日経平均は1,051円高、東証一部銘柄の97%が上昇するという驚異的な上げ相場で、前日の774円安を取り戻しておつりが出ました。
前週後半から3営業日続けての下げが続いていたとはいえ、調整という言葉では片づけられない爆謄ぶりです。
上昇要因としては、FRBによる個別企業の社債購入と、トランプ政権が1兆ドル規模のインフラ投資計画を検討中だという報道です。この2点、ポジティブ材料には違いありませんが、いずれも「わかっていた」「予測できていた」ことであり、サプライズとは言えません。
なのに、この爆謄です。
日経平均でいえば3月19日の底値16,358円から6千円上げたことになりますが、上昇要因は、全世界規模での流動性供給によるカネ余りと、コロナ終息を前提とする各国の経済対策効果に対する期待です。
「噂で買う」のがマーケットであることを理解しつつも、まだ地球規模では感染拡大が続いている中、日米とも7~8割の戻りを実現しているというのには驚かされるばかりです。
こんなファンダメンタル完全無視のわけのわからない相場は初めてです…。
リーマン・ショックの時でさえ、こんなに困惑した記憶はありません…(笑)
今、冷静に世の中を振り返ってみれば、
- お互いの国の威信がかかっており、落としどころの見えない米中貿易戦争
- 核廃棄の是非をめぐり、同じく落としどころの見えない北朝鮮(地政学的)リスク(夕刻、孤立を深めかねない「南北共同連絡事務所爆破」の報道がありました!)
- 頼みの外交カード「北朝鮮との橋渡し役」の地位を失った韓国文政権の行方
- これにも関係する慢性的な「ウォン安」不安(現在の日韓関係を見れば、有事に日本が助ける可能性は低いでしょう)
- 中国の香港統治問題
など、コロナ以外にも未解決のリスクがあるのに、市場は何とも強気です。
そうは言っても「相場は真実」ですから、今は短期トレードを原則にという皆さんのご意見どおりに向き合っていくしかありません。
それよりも、私が今日注目したのは「パーク24」の値動きです。(個別銘柄の話をするつもりはありませんが、どうせわかることですし、批判ではないので実名を出します。)
ご存じのとおり、昨日の中間決算で「通期赤字転落の見通し」と「無配」を発表しました。
そして本日、東証一部ではわずか48銘柄しか値下がり株がない中で“断トツの1位”、8.1%安を記録しました(安値に至っては17.3%安です)。
一見、「当然だよな」と感じるかもしれません。
でもちょっと待ってください。
同社は駐車場事業に加え、「タイムズ カーシェア」などのビジネスを展開しており、コロナ・ショックによる外出、遠出の自粛で、同社の事業が大きな影響を受けることは、わかりきっていたことではなかったのでしょうか。
事実、4月初旬には1,300円割れまで売り込まれていました。
その中身を見ても、決してビジネスモデル自体が破綻したわけでも廃れたわけでもなく、想定内だった気がします(ここは温度差のある部分でしょうが…)。
ネガティブ材料には違いありませんから下がることは予想できましたが、サプライズではなかったので、ここまでとは思いませんでした。
これは、動きこそ冒頭記載の日経平均と真逆ですが、理屈は同じ。
今の「敵」は、感性というあいまいな感覚から一方的に買い進む、売り浴びせることを躊躇する人間ではなく、問答無用で突き進むAI(アルゴリズム)なんだということを、改めて感じた瞬間です。
(ましてや、経営陣がきっちり経営責任をとっているなど、眼中にない!)
ここから先は“コロナ決算”が続きます。
「アルゴリズムはどう働くのか」。これからはそんなことも考えながら、相場を見つめなければいけませんね。
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