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今できるささやかな「地域支援」

NISAとiDeCo、どっちがいいの?

新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う自粛によって、仕事や収入が激減してしまった人も少なくありません。加えて、働き方自体が大きく変化するかもしれないという状況が現実のものとして捉えられるようになる中、将来の生活設計も大きく見直さざるを得ず、今後の生活や老後資金の準備に不安に感じる人も少なくないようです。


将来への備えとしての貯蓄を増やす手段は、収入を増やすか、生活費を抑えるか、資産運用によって増やすかの3つです。残念ながら“必殺技”はありません。

収入については、地道に頑張るのが基本ですが、サラリーマンの間では、働き方改革によって残業が減り、むしろ減収になったという声のほうが多いのが現実です。まだ少数派のようですが、会社が容認しているのであれば、副業によって新たな収入源を作ることも考えるべきかもしれません。

生活費を抑えることについては、一般的には、どこの家庭にも月間支出のうち1割程度の“使途不明金”、端的に言えば“無駄遣い”があると言われていますので、レジに持っていく(支払う)前に、「これって本当に必要か?」を問い直してみることも一つの方法です。ただ、切り詰めていると感じるような生活は、あまり楽しいものではありません。これと同時にFP等の間では「準固定費」と呼ばれる保険料や自動車関連費、通信費、さらにはサブスクリプション契約など、毎月“勝手に”引き落とされる費用の見直しも行いましょう。

毎月3千円の買い物を控えるのはストレスになる可能性がありますが、毎月の保険料を3千円減らすことができれば、従来の生活はそのままに同様の結果を得ることができます(もちろん、それで万一の際の保障に問題がないことが前提です!)。

20年、30年という時間を味方にすれば、月数千円の努力も大きな違いになりますが、それでも老後資金ウン千万円が目標だとすると、これだけでは足りません。

やはり「資産運用によってお金を増やす」のは、いまどきの現役世代にとっては必須です。

 

税制優遇のある運用手段

老後の資金作りに向け、効率的な運用を進めていくためには、税制優遇のある制度を活用するのが得策です。

老後資金を見据えた税制優遇制度としては、財形年金貯蓄制度(以下、年金財形)、DC(企業型確定拠出年金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISAがあげられます。

特に、NISAiDeCoについては、どちらが得なのか、あるいはどちらではじめればいいのかわからないという声も少なくありません。

今回は、2つのNISA と、iDeCoの相違点を整理し、どう取り組めばいいのかについて考えてみましょう。

なお、年金財形とDCについては、勤務先等がこの制度を導入していなければ利用することはできませんので、勤務先等での確認が必要です。

ちなみに、年金財形は、古くからある非課税の預貯金で、資産の爆発的増加は期待できない地味な手段です(同時に、資産が減少してしまう心配もありません)が、給与天引きで毎月少額と、負担感が小さく続けやすい商品です。「結局、最後は退職金と財形年金しか残っていなかった…」という事例も少なくありませんので、是非、選択肢に入れてみてください。

 

2つのNISA iDeCoの相違点

まず、2つのNISA と、iDeCoの特徴をまとめると、以下の表のようになります。

 

一般NISAのメリットは、投資対象の範囲が広いことです。

つみたてNISAiDeCoなどの積立投資商品では、上場株式やREITの個別銘柄の購入はできませんので、「これは有望だ」と思う銘柄を見つけても、それに投資することはできません。また、投資においてリスクとリターンは表裏一体の関係にありますから、長期、分散を基本とする積立投資は、安全性が高い反面、投資額が何倍もになってかえってくるという期待は、正直、できません。

これに対して一般NISAでは、個別銘柄を対象にまとまった金額の投資ができます。うまくすれば、長い年月を経て、「今では、その資産価値は投資額の20倍、30倍になった」ということもあり得るわけです(大きな損失を被るリスクも併せ持ちます)。

もちろん、NISAであれば、どんなに大きな利益を得ようとも、非課税です。

 

一般NISAつみたてNISAとも、運用期間中の配当等や売却益が非課税となりますが、iDeCoは異なり、受取方法までを含めた制度ではありませんので、売却代金を年金方式で受取るといった仕組みまでは用意されていません。

さらに、資金(売却代金)はいつでも引き出しが可能ですから、急な要りようがあっても対応が可能であると同時に、老後資金以外の目的で使うことができてしまいます。

お金のコントロールをしっかりとできれば問題ありませんが、あるだけ使ってしまうタイプの人は、老後資金の形成をNISAに頼ることには、少し不安があるかもしれません。

 

一方、iDeCoのメリットは掛金が全額控除になることと、60歳に達するまでの長期にわたる税制優遇が受けられることです。

掛金の所得控除額は、例えば年収650万円の会社員では、所得税と住民税の合算税率が30%ですから、毎月の掛金が2.3万円(会社員が拠出できる最大額)の場合、年間82,800円(=(23,000×12)×30%)となります。

   積立を行うiDeCo口座では、月間171500円(金融機関ごとに異なる)の口座管理料がかかりますが、先例では月平均6,900円と、余りある節税効果が得られます。

これが60歳になるまで続きますので、はじめるのが早ければ早いほどその効果を長く享受できます。例えば、先例の積立を30歳からはじめると60歳になるまでの30年間、累計2,484,000円の節税効果が得られることになります。税額控除がなければ税金として納めるはずだった約250万円を投資に振り向けることができるわけですから、その“お得度”は絶大と言ってもよいでしょう。

ただし、iDeCoは資産運用の中でも“自分年金”を作ることを目的とした制度ですから、原則、60歳に達するまで引き出しができませんし、脱会もできません。「自分のお金なんだからどう使おうと自分の勝手」は通用しません。

確実に老後資金として貯めるうえでは有効ですが、住宅資金や子供の教育資金などでお金が必要になっても“使えない”ということに対し、「それは困るな…」と感じる人もいるでしょう。

逆に、「そうでもしてもらわないと、俺、絶対、使っちゃうな」と思う人は、断然、iDeCoでの運用を考えましょう。

 

NISA iDeCoの「併用」がお勧め

公的年金を除き、特に老後資金の対策に取り組んでいない場合のモデルプランとして、筆者は、老後資金として手を付けられないようにしておく資金と、万一の際には流用も可能な資金の両建て、両プランの併用をお勧めします。

具体的に見てみましょう。

老後に必要な資金は、生活スタイルや考え方により人それぞれですが、ここでは昨年話題となった「2,000万円」を目標とすることとします。

年収650万円で、年齢は35歳、現在貯蓄はない会社員の場合、ずばり、iDeCo1,000万円、つみたてNISA1,000万円を目指しましょう。

iDeCoにおいて、年平均3%の運用利回りを確保して1,000万円を作るとした場合の毎月の掛金は、運用期間が25年ですから2.2万円(20年なら3.0万円、30年なら1.7万円)です。なお、勤務先にDCが導入されている場合はそちらを優先しましょう。同じ確定拠出年金ですから効果は同じですが、口座管理料等の自己負担がない分、DCのほうが得です。ただし、DCの場合、会社のルールによって掛金に上限があり、マッチング拠出(会社の拠出金に加え、自分も拠出すること)を行っても、毎月の掛金が2.2万円に届かないことが考えられます。毎月の掛金の不足額が大きい(目安としては5千円以上少ない)ようであれば、不足分をiDeCoで補完することも考えましょう。

一方のNISA、つみたてNISAで、20年間、やはり3%の運用利回りを想定すれば、受取額を1,000万円にするためには、毎月3万円の積立が必要です。

ただこの例では、運用利回りを3%と、かなり控えめ(安全運用に“超”がつくくらい!)に見ているため、毎月の掛金、積立額の合計は5.2万円と、かなり大きな金額になります(DCが使える場合、会社の拠出分だけ自己負担は少なくなります)。

つみたてNISAはいつでも引き出しが自由ですので、いざとなれば住宅資金や教育資金など、他の目的への流用も可能ですから、ちょっと頑張ってみるのもありだと思いますが、実際には、目標額と積立可能額の双方を見据え、投資規模を縮小していくことになります。つまり、上記例では、貯蓄目標額を2,000万円としているため、積立額は5.2万円となっています。老後資金として必要な金額は2,000万円だとしても、例えば退職金等を考慮すれば「貯めなければならないお金」は1,000万円でいいのかもしれません。だとすれば、毎月の積立額も半分の2.6万円でいいわけです。

また、一般NISAを利用する場合は、少し考え方が変わります。一般NISAも長期投資を原則とするものですが、つみたてNISAとは異なり、売買のタイミングも自分で見定めながら積極的に投資に関わっていかなければなりません。どの程度の元手を投資資金として用意できるのかによって目標とする成果水準も変わってきますが、例えば、毎年100万円ずつ、5年計500万円を元手とするれば、年平均5.9%(配当込)の利益を得られれば15年、同8.9%(同)では10年ほどで1,000万円になります。(恒久化の議論もあるように、再延長の期待はありますが、現時点では一般NISA5年間の時限制度です。)

8.9%…一見、ハードルの高い平均利回りですが、例えば一般NISAの場合、高い配当を非課税で獲得するために高配当株を購入しているケースも少なくありません。その目線で見ると、20207月現在、配当利回りだけで6%を上回る銘柄は30銘柄以上存在し、この中には日経225採用銘柄やCore30(=日本証券取引所における取引高ベスト30)銘柄など、日本を代表するような企業も含まれています。もちろん、高配当株は、裏を返せば株価が上げ渋っているということですから、安易な購入は推奨しませんが、近年では、東証一部全銘柄の加重平均配当利回りは2%を上回る水準にあります。

この配当収入を含めた年平均69%水準の利益は、株式投資としては、「やや強気」ではありますが、決して無謀な目標とは言えません。

 

投資についてあまり考えたくないという人や、40代前半までの若い世代であれば、積立て中心のアプローチでよいと思いますが、ある程度まとまった資金のある人は一般NISAを利用することを検討するのもよいでしょう。

同じ“積立て”を行うのであれば、毎月の掛金が所得控除の対象となるiDeCoを利用するのが得策であり、資産形成までに時間のかかる積立てをもうひとつ増やすこともないでしょう。特に、50代、60代の人は、今後の収入環境やリスク資産の引き上げ時期を考えても、これから積立てをはじめるということにはかなりの違和感が否めません。

ただ、残念ながら、2023年以降の新NISAでは、積立投資の実施が、非課税枠利用の条件となります。いまさら積立てをはじめたくない人も、2階部分にあたる一般NISAを活用していくためには、1階部分の積立を行わなければなりません。もっとも、積立額に下限設定はありませんので、例えば月100円でも問題はありませんが…。

 

「老後資金の準備」負担軽減のカギは“早期着手”!

マイホーム資金の負担や教育費がピークを迎えることの多い30代、40代では、20年後、30年後を見据えた貯蓄を考える余裕はないかもしれませんが、先送りしても、老後に必要な資金は変わりません。50代になると、保険や積立などの商品が取り組みにくくなってきますし、収入も大きく減少してしまう60代は「資産運用難民」などと呼ばれ、資産運用の選択肢が限られてくるなど、むしろ、状況は悪化するだけです。

積立投資を行うにしても、スタートが早ければ、月々の積立額は小さくて済みますし、思い切ったリスクをとることも可能です。

資産運用を通じて長い人生を安心して生き抜くための資金を作るためには、最大の武器になる時間を味方にすべく、小さな一歩で構いませんので、できるだけ早く踏み出すことを検討しましょう。


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